Wi-Fi搭載ミラーレス一眼カメラ、4機種を比較しました。カメラに求めた条件は次のとおりです。
- ミラーレス
- 一眼(レンズ交換可能)
- コンパクト
- Wi-Fi搭載
その4機種はオリンパス E-PL10、ソニー α6100、パナソニック LUMIX GF10、キャノン EOS M200。
せっかくの「一眼スタイル」なので、交換可能な2本のレンズセットになっている機種を選びました。
私は学生時代に写真サークルの暗室でフィルムの現像なんかもしていましたが、いまや「現像」も死語になり、Wi-Fiでスマホに送信できる時代。
いまどきのコンパクトなミラーレスカメラの機能や性能には感動すら覚えます。
この記事では、Wi-Fi搭載ミラーレス一眼カメラを比較し、解説しています。
価格は時期や需給によって変動があります。当記事ではAmazonの価格を参照いたしました。おおよその目安としてご覧くださいませ。
Wi-Fiミラーレスカメラの比較
オリンパス E-PL10 |
ソニー α6100 |
パナソニック LUMIX GF10 |
キャノン EOS M200 |
|
---|---|---|---|---|
センサ | 4/3 | APS-C | 4/3 | APS-C |
画素数 | 1605万 | 2420万 | 1600万 | 2410万 |
動画 | 4K | 4K | 4K | 4K |
手ブレ | ○ | ○ | ○ | ○ |
瞳AF | ○ | ○ | ○ | ○ |
連写 | ○ | ○ | ○ | ○ |
レンズ | 14-42㎜ | 16-50㎜ | 12-32㎜ | 15-45㎜ |
重量 | 380g | 396g | 270g | 299g |
価格 | 7.9万 | 11.9万 | 6.7万 | 8.9万 |
手ブレ補正やAF、連写など機能に差はほとんどありません。カメラに盛り込むべき機能は出尽くして、今やすべてが搭載されている状況だからです。
差があるのは、センサー(画素数)やレンズなどの性能の部分です。ここが価格の差に反映していると言えます。
この表で差として目立つのはセンサー(画素数)でしょう。しかし、画素数1600万が大きく劣るというようなことではありません。十分すぎる画素数だからです。
センサーは、4/3よりAPS-Cのほうがやや広く、価格も高くなります。広いほうが被写界深度を稼げる(つまりボケる)のですが、これも撮影者の腕前のほうが先に問われるくらいなので、違いを気にするほどではありません。
では、どう選べばいいんでしょう?
私は、好きな外観やスタイルで選べばいいと思っています。だって機能や性能に、もはや大差が無いんですから。
持ち歩くときに気分が上がるカメラで良いのです。撮影するときに楽しい気分になるカメラなら、それこそ作品にも良い影響として出るでしょう。
オリンパスとパナソニックは3色のラインナップです。ブラウンのカメラは気持ちも明るくなりますね。
Instagramにアップするのが楽しくなりそう!
オリンパス E-PL10
出典:Amazon
ダブルズームキット:79,000円
- 標準ズームレンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
- 望遠ズームレンズ:M.ZUIKO DEGITAL ED 40-150mm F4-5.6 EZ
主な仕様
- Bluetooth・Wi-Fi搭載でスマートフォンへ簡単に転送
- 有効画素数:1605万
- 動画:4K(MOV)
- 手ブレ:ボディー内手ぶれ補正
- AF:瞳優先AF機能付き
- 連写:最高約14.1コマ/秒
- 16種類のアートフィルター&アドバンストフォトモード
- シーンセレクト:人物・夜景・室内・近接・夕日・花火など多くのシーンに対応
- フィルター:モノクロ・ヴィンテージ・トイフォト・ジオラマなど
- スマホ風タッチ操作
- 本体サイズ:117.1(横幅) × 68.0(高さ) × 39.0(奥行)mm
レトロな外装が特徴的なオリンパスのE-PL10。フィルムカメラのようなオールドスタイルが目を惹きます。モードダイヤルはまさにフィルムカメラのよう。画面でいちいち操作するよりも、こういうダイヤルの方が操作しやすいです。
オリンパスは、フィルムカメラ時代から小型一眼レフPENシリーズを展開していたメーカーです。E-PLシリーズは、PENのスタイルを継承したモデルであり、オリンパスらしい拘りが詰まっています。また、自社でZuikoブランドのレンズを開発していた技術の蓄積が、デジタルレンズにも活きています。
写真が好きで、さらにカメラやレンズが好きな方にも、所持する満足を与えてくれるカメラです。
フィルム時代のOlympus-PEN。E-PLはPENのスタイルを受け継いでいる。
私が個人的に欲しいのはオリンパスE-PLです。Zuikoのオールドレンズ群を取り付けて遊びたいです。
ダブルズームキット
標準ズームのみレンズキット(67,000円)もあります。
ソニー α6100
出典:Amazon
ダブルズームレンズキット:119,000円
- 標準ズームレンズ:PZ 16-50mm F3.5-5.6 OS
- 望遠ズームレンズ:E 55-210mm F4.5-6.3 OSS
主な仕様
- Wi-Fi対応ワイヤレス通信&QRコード読み取り接続にも対応
- 有効画素数:2430万
- 動画:4K
- 手ブレ補正:レンズ側で対応
- AF:人物の瞳の左右を選択可
- 連写:1秒間に11枚の高速連写
- シーンセレクション:ポートレート・風景・マクロ・スポーツ・夕景・夜景ポートレート・夜景・手持ち夜景・人物ブレ軽減
- Imaging Edge Mobileアプリ:SNSのアップロード
- ピクチャーエフェクト:トイカメラ・ソフトフォーカス・ミニチュア・レトロ・水彩風など
- 本体サイズ:120.0(横幅)× 66.9(高さ)× 59.4(奥行)mm
ソニーは価格が高めですが、他のメーカーの製品にはない質感の良さがあります。デザインも凸凹が少なくてスッキリしています。モードダイヤルが本体に埋没しているので、持ち運びのときにぶつけても痛める心配が少ないです。
写真も動画撮影もこなせる機能美。クリエイティブなユーザーをターゲットにしている感じを受けます。グリップ部分が大きくて持ちやすいので、動画撮影でもストレスを感じません。人差し指がシャッターボタンに自然と届く位置にあるのも機能的に優れています。
カールツァイスのレンズがラインナップにあるのが魅力です。往年の名レンズTessarやSonnarで作品のクオリティを追求できます。
InstagramもYouTubeも、どっちもやるならソニーがおすすめです。
ダブルズームレンズキット
レンズ(1本)キット(109,000円)もあります。
パナソニック LUMIX GF10
出典:Amazon
標準ズーム・望遠ズームキット:69,000円
- LUMIX G VARIO 12-32mm /F3.5-5.6 ASPH. /MEGA O.I.S.(35mm判換算:24-64mm)
- LUMIX G VARIO 35-100mm/F4.0-F5.6 ASPH./MEGA O.I.S.(35mm判換算:70-200mm)
標準ズーム・単焦点キット:67,000円(こっちがおすすめ!)
- LUMIX G VARIO 12-32mm /F3.5-5.6 ASPH. /MEGA O.I.S.(35mm判換算:24-64mm)
- LUMIX G 25mm /F1:1.7 ASPH.(35mm判換算:50mm)
主な仕様
- Wi-Fi準拠
- 有効画素数:1600万
- 動画:4K
- 手ブレ:補正機能あり
- AF:顔・瞳認識追尾・ローライトAF・星空AFなど
- 連写:撮影枚数 3枚 / 5枚 / 7枚、単写/連写選択可
- 4Kセルフィー:風景や人物の自分撮りも広角で撮影
- 夜景の自分撮りを美しく撮影したり、思いのままの「自分撮り」が更に楽しめる
- シーンガイド:人物・逆光・青空・夕焼け・夜空・花・料理など多くのシーンに対応
- フィルター:セピア・モノクロ・トイポップ・ジオラマ・ソフトフォーカスなど
- 本体サイズ:106.5(横幅)× 64.6(高さ)× 33.3(奥行)mm
パナソニックは内蔵ソフトが優秀です。シーンに応じた調色やセピア、モノクロへの変換も思いのまま。InstagramなどのSNSの写真用の加工もお手の物。
2つのセットのうち、単焦点レンズのセットがおすすめです。F値1.7のとても明るいレンズなので、人物の背景のボケがプロ並みに美しく撮れます。
本体サイズが今回紹介した中で一番小さく、軽いです。たかが100gの差と思うかもしれませんが、持ち歩きのスナップ撮影では楽に感じます。
パナソニックはLEICAのレンズをラインナップに揃えています。交換レンズのクオリティを上げていく楽しみ方もできます。
LEICAのレンズがラインナップにあるのは魅力的。
標準ズーム・望遠ズームキット
標準ズーム・単焦点キット
子供などの人物を取るなら、50mm単焦点レンズのセットのこっちがおすすめ。50mm単焦点レンズなら、人物の背景をぼかしたプロのような綺麗な写真を撮ることができます。
F値1.7は、今回紹介したカメラのレンズで一番明るいレンズです。
子供や人物を撮影するならパナソニックの単焦点レンズキットがおすすめ。
キャノン EOS M200
出典:Amazon
ダブルズームキット:89,000円(こっちがおすすめ!)
- 標準ズームレンズ:EF-M15-45 IS STM
- 望遠ズームレンズ:EF–M55-200 IS STM
ダブルレンズキット:97,000円
- 標準ズームレンズ:EF-M15-45 IS STM
- 広角単焦点レンズ:EF-M22 F2 STM
主な仕様
- スマートフォンで画像の閲覧/操作/受信、カメラをリモートコントロール
- 画素数:2410万(CMOS)
- 動画:4K(縦位置動画にも対応)
- 手ブレ:ボディ内電子手ブレ補正
- AF:顔+追尾優先AF(瞳AF可能)、ゾーンAF、1点AF、スポット1点AF
- 連写:最高約6.1コマ/秒
- シーンインテリジェント:自分撮り、ポートレート、美肌、風景、スポーツ、クローズアップ、料理、夜景など多くのシーンに対応
- フィルター:モノクロ、ソフトフォーカス、魚眼風、水彩風、トイカメラ風、ジオラマ風など
- 本体サイズ:108.2(横幅)× 67.1(高さ)× 35.1(奥行)mm
キャノン EOS M200は、モードダイヤルがありません。シャッタースピードや絞りなどの知識がない初心者でも操作しやすい設計になっています。これは好みが分かれるところです。
しかし、操作性がシンプルということは、撮影したいチャンスに遭遇してもとっさに対応しやすいというメリットがあります。たくさん動き回って表情を変えるお子さんの撮影には最適です。
スマホでは物足りなく感じるけど、シャッター速度や露出までは考えたくない。たとえば、子育て最中にお子さんの写真をパッと撮影したいお母さんにはぴったりの設計だと思います。(キャノンがこの層を狙って位置づけたモデルだと思います。)
ダブルズームキット
キャノンの場合は上のダブルズームキットがお得です。下のダブルレンズキットは単焦点レンズが標準単焦点ならよいのですが、広角単焦点というのがちょっと中途半端です。
それなら望遠ズームのダブルズームで揃えておいて、たとえば公園で遊ぶお子さんを遠くのベンチから撮影できるほうが使い道があります。
ダブルレンズキット
まとめ
機能(AF・手ブレ・連写・フィルター・シーンなど)に大きな差はありません。差があるのは、センサー(画素数)やレンズの差です。
結局、好きな外観やスタイルで選べばいいことになります。お気に入りのカメラなら気分も上がるし、撮影も楽しいからです。
買ってよかったと思えるでしょう。
- オールドなスタイルでファッションとしても楽しみたい。→オリンパス E-PL10
- 写真も動画も。InstagramもYouTubeも本格的にやりたい。→ソニー α6100
- 明るい単焦点レンズで、背景のボケが美しい人物の撮影を。→パナソニック LUMIX GF10
- 子育て最中にとっさの子供の表情を逃さずパッと撮りたい。→キャノン EOS M200