B&W(Bowers&Wilkins)P7 のレビューです。
全体にシープ(羊)レザーを纏った高級感のある本機。
B&Wの名に相応しい、上質な音を奏でてくれます。
この記事では、B&W(Bowers&Wilkins)P7で試聴して、その感想を書きつづっています。
もくじ
B&W P7のレビュー
音質は全域のバランスが良い
B&W P7の音質はフラットです。
FOSTEX T50RP MK3、AudioTechnica ATH-AD2000Xと比較してみました。
低音が誇張された国産のヘッドホンに比べると、B&W P7はおとなしくも感じます。
しかし、決して低音が弱いというわけではありません。
高音域・中音域・低音域にわたって、とてもバランスが良いヘッドホンです。
透明感を感じる音
B&W P7で聞いて驚くのは、音の透明感です。
とくにボーカルを聴くと、耳元で歌われているような生々しい歌声に鳥肌が立ちました。
再生周波数帯域は10Hz – 20kHzと音域が広いので、どのジャンルを聴いても楽しめると思います。
私は、リヴァーブの効いた空間系の音楽が、B&W P7にはとても合っていると感じました。
記事の後半で紹介するアーティストを、ぜひ聴いてみてください。
B&W P7の特徴・使用感
私がこのヘッドホンに興味を持ったのは、デザインの美しさに惹かれたからです。
ヘッドバンドからハウジングにつながる細い金属部が特徴的。
その造形はまるで流れる音のように柔らかくエレガンス。
こんなおしゃれなヘッドホンなら、お出掛けのときに首にかけるだけでも様になります。
高級感を醸す天然レザー
雰囲気を一言で表すなら、「大人のヘッドホン」。
この高級感は、随所に使われた天然のシープ(羊)レザーによるもの。
ヘッドバンドのみならず、ハウジングまでぐるっとレザーを纏っています。
天然レザーと金属は、高級車や高級時計を想わせる組み合わせです。
製造の手間を考えると、かなりコストパフォーマンスが良い製品です。
着用感がとても心地よい
耳のサイズにピッタリのイヤーパッドは着用感がとても心地よいです。
クッションの表皮もシープレザーなので、肌触りが気持ちいいのです。
側圧はやや強めですが、長時間つけていても全然痛くなりません。
密閉性が高いので音漏れの心配なく、じっくりと音楽に浸れます。
コードが残念
コードだけが残念です。
固いわけではないのですが、しなやかさが無いのです。
被覆もゴムっぽくて滑りが良くないので、衣服に引っかかってしまいます。
だから、外出するときはぐるぐるとまとめてポケットにしまうようにしています。
これだけが面倒で、扱いづらいです。
ワイヤレスとなった後継機、B&W PX7 ワイヤレスのほうが扱いやすいです。
B&W P7のバランス化
P7用のバランス化(バランス接続)用ケーブルが、PCCITYから発売されています。
B&W P7で試聴してレビュー
Sam Smith 『Love Goes』
出典:Amazon
Sam Smithのボーカルは、B&W P7で堪能するのにぴったりのソースです。
2015年グラミー賞の4部門で受賞したデビュー・アルバム『In the Lonely Hour』から5年。
2020年に3作目となる本作『Love Goes』をリリースしました。
3曲目「Another One」はサムのソウルフルな声を楽しめる曲です。
鍵盤のイントロに彼の声が重なり、リバーブとともに空間に響き渡っていきます。
B&W P7は、この壮大な空間を頭内に再現してくれます。
耳元に残るサムの声がとても心地よいです。
17曲目「Promises (with Sam Smith)」はカルヴィン・ハリスとの共作のハウスミックスです。
B&W P7はキックをそれほど誇張しません。
低域の強いハウスやダンスミュージックでも、中高域とバランスが取れているので聴きやすく感じます。
GoGo Penguin 『GoGo Penguin』
出典:Amazon
本作はダンサブルなジャズトリオ、GoGo Penguinのセルフタイトルです。
ピアノ、ドラム、ベースのアコースティック編成なのに、なぜかエレクトロな雰囲気を感じるバンドです。
前作『A HUMDRUM STAR』より、作風が落ち着いて洗練されたように感じます。
ピアノのリフレインが印象的な2曲目「Atomised」。
イントロから高い音が繰り返されますが、尖って聞こえるようなことはありません。
B&W P7なら、ジャズピアノも聞き疲れすることなく長時間でも聴けます。
事実、私はGoGo Penguin4作品をぶっ通しで聞いてしまいました。
7曲目の「Kora」は実験的でかっこいいです。
ピアノの弦をミュートした音は琴のような響きで、どことなく日本的。
B&W P7で聞くと、音が混ざりあい、分離して頭の中を渦巻くようです。
HONNE 『Warm on a Cold Night』
出典:Amazon
最新作『no song without you』が好評のHONNE。
収録曲「no song without you」はとても素敵な曲なので是非聴いてみてください。
彼らの曲は、日本人である私の心になぜか響きます。
B&W P7の試聴では、普段から良く聴いているHONNEの2016年の作品『WARM ON A COLD NIGHT』を選びました。
エレクトロ・ポップが詰まった秀作です。
1曲目「Warm On A Cold Night」はアルバムタイトルの曲でもあり、本作を象徴する曲です。
有名なファッションブランドのコンピレーションアルバムにも収録されていました。
ボーカル、アンディの声が、オルガンのレトロな雰囲気に合っていてセクシーです。
B&W P7は、男性ボーカルとの相性は良いと感じます。
12曲目「FHKD」はダンスです。
キックも強すぎず弱すぎず、よいバランスです。
B&W P7がダンスミュージックに向いているかと言えば、好みが分かれそうです。
迫力のあるドラムビートを求めるなら、不満になるかもしれません。
ただ、疲れることなく聴き続けるならB&W P7のチューニングは間違っていないと感じます。
『Warm on a Cold Night』をAmazonで見る
B&W P7のレビュー まとめ
- シープ(羊)レザーを纏った高級感は、まさに大人のヘッドホン。
- 側圧はやや強めだが、クッションが良いので長時間つけられる。
- 音質全域のバランスが良い。聞き疲れしない。
- ワイヤレスの後継機、B&W PX5・PX7 ワイヤレスならコードが無くて扱いやすい。
惜しまれつつ廃盤となったB&W P7ですが、ワイヤレスモデルが後継機として発売されました。